以下は、日経新聞に投稿しボツになった原稿です。権利保護のため、ここに公開します。                                     
 
                           「イデコで2千万貯めよう」 

金融庁公表の、「老後の不足資金2千万円」問題から、はや半年が経過した。結局うやむやのままお蔵入りしたような雰囲気だが、このことで問題が解決したわけではない。

少子高齢化により年金財政が厳しくなってゆくなかで、年金のみで老後生活をまかなうのが厳しいであろうということは、多くの国民の認識であると思う。

特に、賃金の低い非正規労働者の方々は切実であると思う。これらの方が、個人型確定拠出年金(イデコ)を利用することにより、毎月1万円のみの拠出で、40年後に(おおよそ)2千万円貯められる方法をお教えしたい。

(要件:第一号被保険者が、世界に分散投資する。金額は概数) 

まず毎月1万円、年12万円拠出する。所得控除を利用すると税額1万8千円(課税所得195万円以下の国民)が還付される。このお金をそのまま翌年の拠出額に加えると、合計13万8千円になり、この年の還付額は2万7百円となる。このようにして毎年拠出額を増やしてゆくと、14年目の拠出額が74万円になり法定上限額に近づく。(第一期)

15年目からは再び月1万円から始め、28年目まで同様に行う。(第二期)

29年目から第三期を始め、法定期限の40年間拠出を行うと、

一 自己負担額 480万円 

二 還付を加えた総拠出額1294万円(自己負担の2.7倍) 

第一期及び第二期の総拠出額の平均額は年34万円となり、これを年5%の利回りでそれぞれ複利運用すると、680+680で合計1360万円となる。第三期の平均額29万円×12年複利で464万円となり、総合計1824万円貯まることとなり、なんと自己負担の3.8倍もの金額となる。

いかがだろうか。生活が厳しく毎月1万円しか拠出できない方でも、国の制度を利用することにより、ほぼ2千万円近い金額を貯めることができるのだ。

政治家や役人の悪口を言うのは自由だが、一方で彼らがこれだけの制度を提供してくれたのも事実である。もうすぐクリスマスプレゼントの時期だが、国から戴いたプレゼントは、ありがたく利用しようではありませんか。