2020/2/16

金融機関の甘い言葉に、騙されるな!

 バブル崩壊、失われた20年・ ・ ・ 日本経済は人類史上例をみないほどの厳しい時代を、経験してまいりました。2013年、黒田東彦氏が日銀総裁に就任し、以降のいわゆるクロダノミクスにより、ようやくデフレから脱出しつつある今日この頃であります。
 とはいいつつもまだインフレの兆候さえ見えない時点において、預金金利がゼロ寸前なのは、ご存知の通りです。
 
                         そんな時代に、
 
「年利9パーセント!」などという金融商品が、それも我が国の金融業界でビッグ10に入るような有名な会社の商品だとしたら、誰でも心を惹かれますよね。
 
                     しかし、騙されてはいけません!
 
 1 年利9パーセントは、決して嘘ではない。
 2 ただし、その商品は「1月定期」であり、その金利が適用されるのは最初の1月だけ
   (利息額=元本×利率÷12)であり、2月目以降は、雀の涙ほどの金利しかつかない。
 3 さらには、その商品は「外貨預金」であり、仮にそれなりの金利がついたとしても、円高になれば、そんな儲けはあっというまに吹き飛び、膨大な為替差損を負いかねない。
 
 いかがですか?こんな商品を、日本を代表するような金融機関が開発し、ご丁寧にもその商品広告をこれまた日本を代表するような新聞が掲載しているのであります。
 
                          もちろん、
 
 上記の金融商品は決して違法なものではありません、しかしながら私が述べたようなカラクリは、広告の一部分に小さな文字で書かれているだけでありまして、多くの方はそんな所までチェックはいたしません。
 いうまでもありませんが、金融機関は営利企業であり、収益を追求するための商品を開発することは当然のことであります。しかしながら、上記のような、たとえ合法であっても、お客さまを惑わすことが主目的としか思えないものを、日本を代表するような金融機関が提供するのは、いかがなものでしょうか?
 
 「金融機関は、(自社が儲かる)商品を売るプロであって、資産形成をアドバイスするプロではない!」ということを、よーくお知りおき願いたいと存じます。
 
             (一分咲きの梅の花が、春の兆しを告げてくれた、気まだ寒き真冬の夜に)