2024/2/6

投資を通じた富の再配分が始まった

 2月4日付日経新聞は、新NISAがスタートして1か月の現状を報じている。
 
1 NISAに1。3兆円が流入、一方NISA以外の投信には500億円が流入した。
 一 全ての投信への流入額のうち7割、約1兆円が世界株インデックスファンドである。
 二 この中でも、「eMXIS Slim全世界株式」は3400億円を占めた。
 三 全世界も含めeMXIS Slimシリーズ(三菱国際アセットマネジメント)には、史上最大6000億円が流入した。
 人気の原因は、業界最低水準の低コスト(0.1パーセント以下)であり、これで若者を始めとした個人投資家の支持を得た。
 
2 NISA以外で人気なのは、毎月分配型投信だ。
 これは、1990年代、国際投信(現在の三菱国際アセットマネジメント)が始めたもので、
 一 バブル崩壊を受けて低株価・低金利が続く中、
 二 高金利である外国国債を中心としたファンドであり、
 三 リターンを毎月分配する手法が受け高齢者を中心に人気となり、現在もその傾向は続いている。
 コストは多少高いし、毎月分配だから長期投資には向かないが、定期的な収入を求める高齢者に支持を得ている。
 
3 以上を整理すると、コストに敏感な若い投資家と手取り収入を求める高齢投資家という、単純な二分化ととらえがちだが、実はもっと深い意義があるのだ。
 一 運用会社が、ほとんどただ同然のコストで商品を提供できるのは、
 二 毎月分配型投信で適正な手数料収入を得て、
 三 会社全体として十分利益を出せるからだ。 
 これは言い換えれば、運用会社が仲介役として、高齢者から若者層への資産移動がなされている、ということとなる。
 
 公的年金は、現役世代の支払う保険料によりリタイア世代の年金がまかなわれるという、国が運営する「世代間扶養」というシステムだが、投資においては、国及び民間会社が適正なコスト設定をすることにより、高齢者から若者へ「富の再配分」が行われているのだ。
 このサイクルが順調に続く限り、我が国・国民の未来は限りなく明るいものとなるだろう。
 若者よ、中高年よ、高齢者よ、投資をして個人・国家の富を増やしましょう!