2020/6/28

カウンターの内側の、懲りない面々に気をつけろ!

 「塀の中の懲りない面々」を書いた安部譲二氏は、昨年亡くなりました、ご冥福をお祈りいたします。
 さて、私がこれから述べるのは「(銀行の)カウンターの内側にいる、懲りない面々」すなわち、自らの私利私欲のために外貨保険を作る保険会社、及びそれを売る銀行員のことであります。
 
 1 外貨保険とは、
 保険料を外貨に代え外貨で運用することにより、高利回りが得られると称する金融商品。
 
 2 ゼロ金利の我が国と比べれば、全ての国の通貨はプラス金利だから、金利が高いのは当然である。
 
 3 しかしながら、金利が高いということはそれなりに経済が順調ということの反映であるから、当然プラス経済、すなわちインフレ傾向である。
 
 4 インフレということは、物価が高い、すなわち通貨の価値が低いということである。
 
 5 その国の通貨の価値が低いということは、対応する日本円の通貨価値が高いということである。
 
 6 円の価値が高いということは、円高、すなわち外貨建て資産を円に代えたら、目減りするということである。
 
 7 高金利で運用した外貨は、いざ日本円に代えたら元本割れしていた、などということがあり、であるからこそ金融庁等がその販売について、再三指導してきた。
 
 8 行政指導に加え、外国の金利も下がってきたので、一時販売は下火であった。
 
               にもかかわらず、
 
 本年6月の新聞記事によると、「外貨建て保険 販売再開 (金融不安が一服)」などと記されております。
 
                 そもそも、
 
 「生命保険」という、文字通り万が一の事態のための金融商品の原資を、外貨という、元本割れするリスクがあるもので、しかもその運用を顧客の自己責任に負わせるなどということは、まっとうな商売人として許されざるものであると考えます。
 
                 しかも、
 
 その顧客の大半が、金融知識の薄い高齢者層であるのだとしたら、オレオレ詐欺とどこが違うのでしょうか?
 もちろん、違法かつ財産全てを巻き上げるオレオレ詐欺と、合法かつ手数料のみを巻き上げる外貨保険を比べるのは、暴論であります。
 でありますが、「自らの私利私欲のために、口先三寸で老人をたぶらかす」という点では、五十歩百歩であると言ったら言い過ぎでしょうか。
 
 生命保険会社や銀行員の皆様、あなたはこの商品を、自分の親や祖父母に勧めますか?