2020/7/9

個別株から株式投信の時代へ!

 ブルックス・ブラザース社が本国米国において、破産申請をいたしました。
 ご存じない方に簡単にご説明いたしますと、いわゆる「アメリカン・トラディッショナル」ファッションの総本山ともいうべき、アパレルメーカー・販売店であります。
 ネイビーブレザー・レジメンタルタイ・ボタンダウンシャツといった、通称「アメトラ」ファッションを米国のみならず、全世界に普及させた文字通りの先駆者であり、ケネディ大統領やオバマ大統領も好んで着ていたそうです。
 
 そんな名門の会社であっても、時代や社会の流れに抗せず潰れてしまうのです(とはいっても、米国は敗者復活の国ですから、債務を整理し、規模を縮小したうえで、再スタートすると思いますが)、当然ながら、同社の株は紙切れ同然となります。
 
 どんな歴史のある会社であっても、それが現代に受け入れられないのならば、容赦なく淘汰される、それが資本主義社会の掟であります、そして、そのことをふまえ以下述べてまいります。
 
 1 20世紀は、個別株の時代であった、何故なら、1945年に第二次世界大戦が終了し、世界は復興・発展へと突き進む時代であった。
 戦争で減った人口が増え、多くの会社が生まれ、経済は成長した。このような時代において、経済の中心である株式会社は発展し、当然ながら個々の会社の株価も上がった。
 
 2 21世紀は、株式投資信託の時代である。
 資本主義の持つ圧倒的なパフォーマンスは変わらない、その証拠に自称共産主義国の中国でさえ、株式市場を開き、資本主義経済を実践しているのだから。
  
                とはいいつつも、
 
 先進国を中心に経済成長自体は、巡航速度になってきた。このような時代においては、伝統企業・大企業であっても、ちょっとしたことで破綻しかねないわけで、個別株投資はいささか危険である。
 一方において、地球人口の増加とともに、世界経済が発展することは100%間違いないわけであり、であるとするならば、ハイリスクハイリターンの個別株投資より、ミドルリスクミドルリターンの株式投信こそ、これからの時代の資産形成手段である。
 
 個別株投資:個人で買える社数は、限りがある。例えば10社の株を持っていたとして、その中の1社がブルックス・ブラザース社だったら?
 株式投信:一人でも何十社・何百社の株が買える。100社の株を持っていたとして、仮にブルックス・ブラザース社の株が紙切れになったとしても、たかだか100分の1の損失である。
 
結論:株式投信で地道に資産形成を行い、得たお金で、再建された(すなわち、かつてより安価で買える)ブルックス・ブラザース社の服で身を包み、前に進もう!