2020/8/6

シニア層よ、投資をしよう! 4

 「人生100年時代」が現実的になってきた今、シニア層の方々におかれましても、貯蓄のみではなく投資もすべきだと述べてまいりました。
 そして、そのための最良の制度が(つみたて)NISAであることも述べてまいりました。
 したがって、これらのことをお判りの方々においては、以下のことは「釈迦に説法」であると思いつつも、あえて再確認のため提起したいと存じます。
 
         <シニア層が絶対に買ってはならない金融商品>
 
 1 外貨建て保険
 この商品についての苦情が昨年度、最高に達したそうです、その最大の理由はズバリ、円高により元本割れしたことであります。
 ①高金利の外国通貨を買えば当然利回りは良い。
 ②しかし、金利が高いということは、基本的にはその国の経済状況が良いということであり、インフレ基調である。
 ③インフレ基調であるということは当該通貨は為替安状態であり、ということは交換通貨である円は高く評価されることになり、円高による為替差損が発生しやすい。
 
 この商品については、このことに加え手数料が高い、さらにそのことが詳細に説明されていないなど問題だらけであり、たとえ1円であっても投資すべきではありません。
 
 2 お任せ投資、特にラップ口座
 これもまた、シニア層向けに金融機関が作った商品であります、この最大の欠点はコストが高い、このことに付きます。
 投資信託を購入する際、①購入時・売却時の手数料②毎年取られる保有時の手数料が取られます。そして、ここまではどの会社・商品でも共通なのですが、ラップ口座はこれに加え、
 ③運用報酬とか、運用管理料とかの意味不明な手数料が取られ、しかもこの額が資産残高の2%前後という、信じがたい水準なのであります。
 デノミが続き、ほぼゼロ金利のこのご時世に、毎年2%もの手数料を払うなど、私に言わせればどぶにお金を捨てるようなものである、というほかございません。
 
 3 IFA
 横文字を使って、さも現代的・先進的な風をよそおっていますが、その実態はなんてことない、「証券会社のパシリ」、この一言に尽きます。
 店頭窓口を持たないネット証券会社等が、その代わりに彼らを使って商品を売るわけです。
 ちなみに、会社によって異なりますが、基本的に顧客からは相談料や手数料を取りません。
 「ただで相談できて、商品を選んでくれるなんてラッキー!」などと浮かれている場合ではございません。
 ①顧客から料金を取らないということは、証券会社から報酬を得なければ商売になりません。
 ②証券会社は、IFAに報酬を払う分の原資を用意しなければなりません。
 ③そのためには、保有時の手数料が高い商品を売ってもらわなければなりません。
 ということで、「ラッキー」と浮かれていた客は、信託報酬が1%以上、下手すれば2%という、ラップ口座なみの高いコストを、しかも毎年毎年支払わされる、ということになるのです。
 ※例外はあります。
 
 シニア層の皆様!
 外貨建て保険を売る店頭社員も、ラップ口座を運用する自称ファンドマネージャーも、IFAの自称アドバイザーも、皆、貴方より人生経験が浅く、貴方より資産の少ない、すなわち「資産運用で成功していない者」ばかりですよ。
 そんな者たちに、生命の次に大事なお金の相談をするなど、おかしいと思いませんか?
 
 貴方が相談すべき相手は、それなりの人生経験を積み、それなりの投資実績を持つ独立ファイナンシャルプランナーであるということを、強く訴えるものであります。