2020/8/8

日・英・米の資産運用の現状

 日本・英国・米国の家計金融資産の現状と、それをふまえた我が国の資産運用の未来について述べてまいりたいと思います。(以下、全て概数)
 
 1 各国の、家計金融資産の構成(2015年末)
 日本 貯蓄52%   投資18%
 英国   36%     24%
 米国   14%     45%
 
 
 2 1995年~2015年の資産の推移
 日本 1.47倍
 英国 2.27倍
 米国 3.11倍
 
 見ていただければ一目瞭然ですが、投資の割合が高いほど、高いパフォーマンスを示しています。
 これからの時代、我が国においても投資の割合を高めるべきであるという、私の主張の根拠はここにあります。
 
 ところで、投資といっても様々な商品があるわけですが、その中でもミドルリスクミドルリターン、すなわちベストではないがベターな商品として、投資信託をお勧めしてまいりました。
 それでは、投資信託について、各国の現状がどうなっているかといいますと、(2015年)
 
 日本  6000本 資産総額  100兆円 平均資産単価  170億円
 英国  2500        200           800
 米国 10000        2000          2000
 
 見ていただければ一目瞭然ですが、投資先進国の米国と比べ、投資後進国である我が国が、
「本数が多く、一本当たりの資産が小さい」ということが判ります。
 もちろん、それぞれの国の歴史や制度の違いはありますが、そもそも投信の歴史が浅い我が国において、英国の2倍、米国の6割という本数は、明らかに多すぎます。
 
 何故このような事態になったかというと理由は簡単で、手数料の高い商品を、頻繁に売り買いさせるために銀行・証券会社とその子会社である運用会社が、「ゴミファンド」を毎年毎年、大量に作り続けてきた、この一点にあります。
 結果、銀行経由で投信を買った顧客の約半数が損失を抱えているという(2019年時点)、悲劇的な状況を招いています。
 
 コロナショックで全世界が悲嘆にくれる今、今こそ、志と資金のある個人が投資し、富を創り出すべき時であります。
 にもかかわらず上記のような我が国の現状を見るとき、その妨げとなっているのが、己の利益のみを考えている販売会社・運用会社の存在であることは、火を見るよりも明らかであります。
 次回以降、この現状を打破し、我が国に真の意味での投資が根付くための道筋を明らかにしたいと存じます。