2020/9/20

ラップ、外貨保険、ジャパンライフ

 ジャパンライフなる、詐欺会社がようやく摘発されました。ようやく、というのは、この会社30年・40年前から怪しげな商売をやっている札付き会社だったからです。
 違法すれすれのところでうまくやっていた、といえばそれまでですが、それを看過していた司法当局・報道機関の罪は重いと言わざるを得ません。
 
                ところで、
 
 このような詐欺会社はもちろん論外ですが、一方で合法かつ上場企業である銀行や証券会社が、同じように、「金持ちの老人を食い物にする営業」をしているなどと書いたら、驚かれるでしょうか?
 残念ながら、合法であり、しかしながら限りなく強欲な営業が今も続けられているのです。
 
 1 ラップ口座
 多額の資産を持っているお年寄り(とは限りませんが)相手に、資産を一括して預かり(商品をラッピングして包むように)、運用します、という口座です。
 大手証券会社が始め、今や銀行も追随し、あげくの果てに公的資金の注入を受けた某銀行まで、「私たちには、資産運用のノウハウがある」(笑)などと寝ぼけたことを言って、始めています。
 経営に失敗し税金で助けられた会社、すなわち自己資金の運用さえまともにできない会社が、
他人様の資産運用などサポートできるわけないだろ、てなものです。
 
 ラップ口座最大の問題点は、手数料が高い、ということです。
 会社により異なりますが、平均年2%、ということは、1千万円の資産の方は、20万円を、しかも毎年毎年取られるのです。
 今時、金利2%なんて、住宅ローンですらありえない、ぼったくり手数料です。
 
                それでも、
 
 百歩譲って結果が出れば、それでもオーケーですが、例えば直木賞作家のO氏などは、ラップ口座に巧妙な勧誘で入れられ、5千万円の資産が、あっというまに1割2割減ったということを告白されています(2008年 週刊文春)。
 
                もちろん、
 
 全ての口座、全ての顧客が損をしているというわけではなく、順当に資産を増やしているケースも当然あると思います(ひょっとして、今やO氏もプラス?)。
 とはいっても、そもそも入口の手数料が2%などという商品が、しかも残高10兆円などというのは、正気の沙汰とは思えません。
 他人様の資産運用にケチつける気は毛頭ございませんが、ラップ(WRAP)口座に入るお金と暇があったら、ラップ(RAP)のディスクでも買って、家で聞くなり練習するなりの方が、よっぽど安価で健康的であると考えます。
 
                                 (つづきます)