2020/12/13

無駄な金は、一円も払うな!

 最近の経済記事より。
 
 「手数料、残高連動5割目標」(12.4日経)
 要約すると、某大手証券会社が、投信の手数料について、 購入手数料 か 残高連動手数料 のどちらかを選択できるような制度を始め、かつそれを個別株や債券にも広げるというものです。
 
 1 大前提としての、現在の手数料体系
  ①購入手数料 及び 売却手数料(無い会社あり)
  ②「信託報酬」を始めとする、毎年取られる手数料 
  ③②に加え毎年取られる、「お任せ投資の、なんちゃて手数料」
 
 
 2 上記記事で言っているのは、①の購入手数料 か ①ー2 としての「残高連動手数料」を選択する制度ができた、ということであります。
 
 3 具体的に言うと、
  現在3%くらいの①をやめ、たとえば1%の①ー2を、選びませんか?ということであります。
  「3%も払っていたのに、1%で済むなんて安上がりじゃん、こっちを選ぼう」などと浮かれてはいけません。
 
               何故ならば、
 
 ①は、一回こっきり、すなわち人生で3%しか払わずに済むが、
 ①-2は、毎年毎年払う、例えば10年保有していたら、1%×10 で10%も払う、ということなのですよ。
 3% VS 10% どちらが顧客にとって得か、逆にどちらが会社にとって得かは、小学生でも判りますよね。
 
 こんなバカげた制度を、考える会社も会社なら、それを何の疑問も持たず書く新聞も新聞であります。しかも、それを投信のみならず、株や債券まで広げようというのですから、全く開いた口が塞がらない、とはこのことです。
 
 しかも、情けないことに、半数近くの顧客が、①ー2を選んでいるという記事を読むと、一体この方々は、小学校で算数を習っていたのかと、疑問を抱かざるを得ません。
 
 当欄をお読みの方々においては、よもやそんな方々はおられないと思いますが、例えば家族や友人、知人において、これから投資を始めようという方がいたら、是非進言していただきたい。
 
     「無駄な金は、一円も払うな!」と。