2020/12/22

「天外者」と、私たちの使命

 映画「天外者(てんがらもん)」を観てまいりました。倒幕の志士、維新後は実業家として生きた五代友厚の伝記映画であります。
 前半、倒幕を志す4人の若者(五代、坂本龍馬、岩崎弥太郎、伊藤利助のちの伊藤博文)が、すき焼きを食べながら、明日を語りあうシーンがあります。
 
 幾年月が過ぎ、竜馬を除く3人は維新後の日本で活躍するのですが、彼が生きていたらとしたら、4人のうち3人は、実業家として活躍することとなるのです。
 五代   官職を辞し、大阪で鉱山・印刷造幣・染物等の事業を起こす。
 龍馬   生きていたら、「世界の海援隊」を指揮し、今でいう総合商社の礎となっていただろう。
 岩崎   言わずと知れた「三菱」財閥の創業者。
 伊藤   政治の志を貫き、日本最初の内閣総理大臣となる。
 
 伊藤博文のように、政治の世界で大所・高所からこの国を導く人は、当然必要であります。
 
                と同時に、
 
 倒幕という、「政治」の世界」にいながら、それが成功すると、「国を成す原動力は、経済だ」と、いちはやく転身した2人(プラス1人)のような人もまた、当然国には必要なのであります。
 
 幾年月が過ぎ、100年有余を過ぎた今日、私たちもまた五代たちに学び、実践すべきであると思います。
 岩崎のように、自分で事業を起こす。
 五代のように、多くの事業に資金を投ずる。
 龍馬のように、世界で事業を展開する。
 
 誰もが岩崎にはなれないと思いますが、五代のように日本の(株式)会社に投資したり、龍馬の海援隊のような世界企業に投資することは、できます。 
 
 事業で財を成し、大阪商工会議所初代会頭となる五代ですが、それまでのさまざまな経過から、「私腹を肥やした」等の批判を浴びます。彼はそのような言葉にひるむことなく、
地位も名誉も金もいらない、私は誰もが夢を見ることができる未来・国を創りたいのだ」と、前に進みます。
 明治18年、49歳で没した時、資産は無く、借金だけが残っていたそうです。
 「私腹を肥やした」」どころか、「私財を投じ、大阪・日本の繁栄のために尽くした」のであり、まさしく、「てんがらもん」(飛びぬけて、素晴らしい人)と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。
 
 私たちは、もちろんそこまで立派な生き方は出来ないと思いますが、それでもなお、私たちが投ずるお金は、回り回って日本・世界・未来の富となるわけであり、そのことに自信と確信を持ち、日々投資することにより、「誰もが夢を実現できる国」を創ろうではありませんか!
 
                 追記
 
 五代を演じた三浦春馬氏は、まさに五代そのものといっても過言ではないほどの演技(を超えた)であり、このような素晴らしい俳優と同時代に生き、観れたことを心から幸せに思うと同時に、
彼の魂が永遠に時空を飛び続けることを祈念いたします。
 三浦君、君こそ現代の「天外者」だ!