2021/2/5

最近の新聞記事から

 先月の新聞記事をご紹介し、見解を述べたいと思います。
 
 1 投信売買手数料、大手証券見直し
 大手証券A社は、投信の入れ替え時手数料を無料にする仕組みを1月から導入する。
 具体的には、「ラップ口座」の中で、商品を入れ替えても、その際の売買手数料を取らないということ。
 ①そのこと自体は、評価すべきである。
 ②しかしながら、商品を頻繁に入れ替えること自体、長期投資という資産形成の大道に反するし、「お任せ(ラップ口座の売り文句)」と言いながら、自己責任で商品入れ替えを行わせることは矛盾している。
 ③ましてや、「ラップ口座」ということは、運用手数料等で、何パーセント取られるか、わかったものではない。
 
 2 ファンドラップ、商品化を支援
 スマホ専業証券のB社は、ファンドラップを外部の企業が低コストで商品化できるサービスを開始する。
 第一弾として、独立系金融アドバイザーのC社に提供する。
 B社はロボアドバイザーのシステムを、ファンドラップに活用する。
 
 私が、再三指摘している高コスト投信の二本柱であるロボアド&ラップ、かつてのブッチャー&シーク組(世界最凶タッグ)に勝るとも劣らない、資産運用界の最凶タッグコンビであります。
 コストがいくらかかるかは、ご想像にお任せします。
 
 3 確定拠出年金、ロボアドで助言
 オンラインで資産運用を指南するロボアドを開発するD社は、確定拠出年金の運用を助言するサービスの提供を始める。
 信託銀行や生命保険会社などの運営管理機関と提携し、加入者に個別の運用商品の提案をする。
 
 確定拠出年金については、高コスト(信託報酬が高い)商品が多いということはよく知られている。
 それに加えてロボアド系の商品を提供するというのだから、さらにコストがかかるのは目に見えている。
 
 コロナ禍で経済状況が厳しい今日、実際に経済的被害を受けて方はもちろん、そうでない方におけれましても、明日がどうなるかは判らない、そんな厳しい今日この頃であると思います。
 スーパーで買い物をする際も、1円でも2円でも安いモノを買おうと苦労される方が多いかと思います。
 資産形成も全く同じで、1円でも2円でも安いものを選ぶべきであり、だとするならば上記のような高コスト口座や商品を選ぶなどということは、どぶにお金を捨てる、ようなものだと思いますよ、私は。
 
 以上、見解を述べました。