2021/3/27

ニセ「独立」だまされるな!

          「運用助言、独立系が急拡大」(3・23日経)
 
 この記事の見出しだけ見て、意味が判る方はそんなに多くないと思います。以下、ご説明すると、
 
 1 IFA(独立ファイナンシャルアドバイザー)と呼ばれる業者経由で、証券会社から金融商品を買う人が増えた。
 2 その預かり資産は、約3兆円と、5年で3倍弱に増えた。
 3 IFAの人員は、5年で4割増えた。
 
 あちゃー、困ったチャン(いろいろな意味で、困った人)がまた増えたよ!というのが私の感想であります。
 
 一 IFAと呼ばれる方々、インディペンデント(独立)と称するだけに、確かに証券会社や、運用会社に属しているわけではなく、その意味では、一応「独立」しています。
 二 しかも、例えば相談等の業務について、顧客から料金を取らないケースが多く、それはそれで割安です。
 三 しかしながらその実態というのは、〇〇証券や✕✕証券と契約し、それらの会社の販売する商品を売って、それらの会社から手数料をゲットする、早い話が、「証券会社のパシリ」です。
 四 ところで、証券会社はボランティアで金融商品を売っているわけではありませんから、IFAに手数料を払ったら、大した利益は出ません。
 五 じゃあ、どこから利益を生み出すかというと、信託報酬(年間保有手数料)の高い投信(アクティブファンド)等を、IFAを通じて売るのです。
 六 信託報酬というのは、運用会社の収入(しかも、証券会社系の運用会社が多い)なのですが、その約4割は、販売会社(証券会社)にキックバックされるのです。
 七 つまり、信託報酬の高い商品を売ることにより、
 運用会社 ・ ・ ・ 儲かる 販売会社 ・ ・ ・ 儲かる IFA ・ ・ ・ 儲かる
 顧客 ・ ・ ・ 高い信託報酬取られる、というわけでであり、これってどーよ、という世界だと思いませんか?
 
 100万円で信託報酬2パーセントの投信なら、顧客が払うお金は年2万円、それも毎年、毎年!
 一方、独立ファイナンシャルプランナーである私に相談すれば、1回1万円、しかも1回こっきり、しかもコストの安い商品をご紹介します。
 どちらが得かは、いうまでもありません。
 
 まったく、こんなバカげた業種がはびこり、多額の収入を得ている現状は、正気の沙汰とは思えませんな。
 世界最高の投資家W・バフェット氏は、「手数料の高いヘッジファンドに投資することは、ドブにお金を捨てるようなものだ」とおっしゃいましたが、IFAを通じてアクティブファンドを買うなどというのは、「ドブにお金を捨てて、さらに残ったお金をビルの屋上からばら撒くようなものだ」と、考えますが、皆さまはいかがでしょうか?