2021/5/20

お笑いESG

  新聞報道によると、フランスの食品大手会社「ダノン」は、株式総会において、3月に解任されたファベール前会長兼CEOについて、その解任経過について説明したそうです。
 ファベール氏は就任以来、ESG(環境・社会貢献・企業統治)を重視する経営を目指し、実際その分野における評価は高かったようです。
 一方、業績は他社と比べ見劣りし、例えば同じようにESG重視を標ぼうするユニリーバやネスレと比べると、過去5年間の株価上昇率が、ダノンが1割安なのに対し、ユニ&ネスレが5割高と対照的な結果となっています。
 これらを受けて、主要株主の意向を受け解任されたものであり、当然のことです。
 
                 何故ならば、
 
 1 会社の経営者の最大の仕事は、その会社の業績を上げ、株主や社員に報いることであって、間違ってもESG推進ではない。
 2 そして会社の最大の社会貢献とは、利益を上げて税金をたくさん納めることであって、間違ってもESG推進などではない。
 3 昨今、世界的な流れを受けて、「ESGに積極的な会社を選ぶ投信」なるものが売り出されていますが、ダマされてはいけません。
  一 ESGを推進すること、そのこと自体はとても良いことである。
  二 とはいいつつも、それらを客観的に評価するというのはとても難しいことであり、運用会社のファンドマネージャーのアンチャン程度に出来ることではない。
  三 結局できたファンドというものは、運用会社やファンドマネージャーの主観的判断でできたものにすぎない。
  四 そして、ここからが最大のポイントだが、これらのファンドは信託報酬がバカ高い、つまり顧客の損失が大きく、運用会社の儲けが大きい!ということである。
 「社会貢献」などとデカい事言うヒマがあったら、「顧客貢献」しろよ!って話ですよ。
 
 繰り返しますが、ESGを推進することはとても良いことであり、それらを推進する会社や団体を応援すべきだと思います。
 
                 ただし、
 
 その方法は株式投資のような方法ではなく、一個人として個人の自己責任で行うべきであると考えています。
 私は、「あしなが育英会」と「国境なき医師団」に毎月寄付しており、それ以外にも災害被害支援寄付や、クラウドファンディングにお金を投じています。
 そしてそのお金は、毎年毎年入ってくる配当金から捻出しています。
 
 ESG推進などという安っぽい言葉にダマされず、とはいいつつも明らかに環境破壊を推進するような会社やファンドには投資せず、自らの志と責任で投資し、その果実で環境や社会、人類や世界のためにお金を投じましょう!