2021/5/27

リスク取らねば、リターンなし!

 5月最終週、3月決算の会社・組織の2020年度決算が明らかになりつつあります。
 今回、日本のみならず世界でもビッグ5に入るファンド(機関投資家)の決算を見てみたいと思います。(以下、概数)
 
 1 ゆうちょ銀行
 保有有価証券   140兆円
 資金運用収益   1.3兆円
 収益率      0.9%
 
 2 農林中央金庫
 保有有価証券    58兆円
 資金運用収益    1.0兆円
 収益率       1.9%
 
 3 GPIF(年金資金管理運用独立行政法人)
 2001年以降の資金運用収益額    85兆円
    〃    年平均収益率    3.4%
 
 見ていただければ一目瞭然ですが、収益率は、
 一位 GPIF   3,4%
 二位 農中   1.9%
 三位 ゆうちょ  0.9% となります。
 
 三社とも、純粋な金融機関ではなく、準国営ファンドとも呼ぶべき性格のものであり、であるとするならば、何故これだけ差がついてしまったのでしょうか?
 その答えは、保有する有価証券の種類、いいかえればポートフォリオの違いということに尽きます。
 
 GPIF    日本債券25% 外国債券25% 日本株25% 外国株25%
 農中    円建て資産30% 外貨建て資産70%
 ゆうちょ   日本国債等45% 外国国債・外国債券投信55%
 
 見ていただければ一目瞭然、リスク資産(外貨及び株式)をどれだけ保有しているかといことに尽きます。
 GPIF     75%(四分の三)
 農中      70%(三分の二)
 ゆうちょ   55%(二分の一)
 
 銀行法上、農中とゆうちょは、株を資本金の範囲内でしか保有できず、その面で利益率でGOiFの遅れをとるのはいたしかたありません。
 そのような中でも果敢に外貨資産を保有する農中と、日本国債というほとんど利息のつかない資産を、しかも大量に保有するゆうちょの、結果の違いはここにあります。
 
 以上のことから、私たち個人投資家が学ぶべきことは、一目瞭然であります。
 リスク(外貨及び株式)を取れば、それなりのリターンがある。
 そして、それを具体的に展開するためには、(米国を含む)世界の、株式投信に投資する、このことに尽きます。
 
 一 元本保証のある「貯蓄」は必ず何割かはキープし、
 二 自由と民主を弾圧する国家に属する会社の株は買わず(投信の中に含まれるのは、仕方ないが)
 三 米国及び世界の株(式投信)に投資する。
 
 バットを張らなければボールに当たらないように、リスクを取らなければリターンはありません。
 分散・積立・長期複利で資産を増やし、自分・国家・世界の繁栄を築きましょう!