2021/6/6

FIRE(ファイアー)

 「FIRE」という言葉をご存じでしょうか?資本主義・投資の本場米国において最近使われることばです。
 ファイナンシャル・インディペンデンス・リタイア・アーリーという英語の頭文字を取ったもので、日本語に訳すれば、「経済的自立をかちとり、早期に退職する」という意味です。
 さらにもっとぶっちゃjて言えば、ガンガン稼いで資産を貯めて、会社や仕事をやめて、後は自由に生きる、ということであります。
 
 1 実際問題として、一部の人は既にこのことを実践しています。例えば野球のイチロー氏、現役を引退したものの日本に帰ることもなく、米国で悠々自適な生活をしているわけで、まさしくFIREを実践しているといえます。
 ちょっと話はそれますが、今日本でも米国でもいわゆる「格差」の問題が論じられます。
 そのこと自体に異論はないのですが、その時に、必ず株や資産運用で莫大な金を得た人が批判され、スポーツや芸能で莫大な金を得た人が批判されないのは、全く理解できません。
 「格差」がいけないというならば、全ての金持ちが批判されるべきであり、昼間ウォール街で反資本主義の雄たけびを上げた後、ヤンキースタジアムで高年俸選手に歓声を贈っているような奴は、はっきり言ってただのパーです、間違いなく。
 
 2 FIREのモデルケース
 一 ガンガン働いて、例えば50歳で1億円の資産を形成する。
 二 このお金を年3パーセントで運用すれば、300万円となり、1年間の生活費として、けっして多くはないが、それなりの額となる。
 三 足らざる分、資産を取り崩しても、まあ死ぬまでには枯渇することはない。
 
 3 日本におけるモデル
 というわけで、この動きは日本にも伝わっており、先日NHKのクローズアップ現代で、二人のケースを紹介していました。
 一 勤めていた会社を辞め、趣味のカメラで生計を立てつつ、株式投資で1億円を目指す。
 二 年収1千万円以上稼いでいたが、残業続きで疲れ、退職してユーチューブ等で稼ぎ、1億円を目指す。
 
 共に、20代の若者であり、是非成功されることをお祈りします。
 と同時に、全ての方が、このお二人のように割り切れるわけではありません。
 圧倒的に多くの方は、今の会社や仕事に不満はありつつも、ズルズル続けざるを得ないのではないでしょうか?
 「それでいい」と、私は考えます。何故なら、「大切なことは、目的であり手段ではない」からです。
 1億円ためるための道は、十人十色であり、けっして決まった道はありません。それぞれの方が自分に合った道を歩み、結果として5千万なり1億円なりの資産を貯めればよい、と私は考えます。
 仏教の言葉に「大道無門」という言葉があります。大道(悟りの境地」)に向かうための入り口(門)は無い、それぞれの人が自分なりの門から入れば良い」という意味です。
 
 一人でも多くの方が、己の門を見つけることを、切にお祈りいたします。