2021/6/18

株式投資、ウソにだまされるな!

 先日日経新聞を開いていたら、某アクティブファンドの一面ぶち抜き広告がありました。
 この会社、ファンドマネージャー出身の創業者が展開しており、ファンドの宣伝のために講演会をやったり、本を出したりしています。
 私自身、この方の本を読んだことがありますが、何回読んでもいまいちピンときませんでした。
 最近やっと理由が判りました。
 1 話、文章は上手い。
 2 上手いだけではなく、以下述べるような抽象論、きれいごとが多いから、ある種の新興宗教っぽくて、その時点では感心する。
 3 一方で、具体的な論理や実績の話がほとんど無いので、頭にぼーっと霞がかかったようなイメージだけが残る。
 
 以下、この会社(ファンド)に代表される、株式投資の世界におけるもっともらしいウソをご紹介すると同時に、このようなウソには絶対だまされないことを祈り、記します。
 
 一 「個別株投資」をする際、もちろんその目的は配当金や値上がり益であるが、仮にそうならなくても、個別株を持つことは、経済や金融の勉強になる。
 
                    ウソです、100パーセント!
 
 個別株を買うということは、配当金や値上がり益、ぶっちゃけ儲けることが目的であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
 市場経済である株式投資と、机上の空論である経済・金融というお勉強ごっこの世界は、全く関係がありません。
 
 二 まじめな会社、頑張る会社は必ず伸びる。
 これまた、一見ホントらしい、しかし見てきたようなウソであります。
 ちなみにこの言葉には後段があっって、「とはいいつつも、素人の方がそんな会社を見つけるのは難しい、だから私(ファンド)に任せなさい」と言って、コストの高い自社ファンドに誘導するのです。
 ①だいたいですよ、「まじめ」だの、「頑張ってる」だのって、メチャ抽象的ですよね。ていうか、世の中個人であれ、会社であれ、「まじめ」で、「頑張ってる」というのが、大半であって、そんなことあたりまえのことです。
 ②しかもですよ、たしかに「まじめ」とか「頑張ってる」とかは大切なことだと思いますが、そのことと会社が伸びる、株価が上がるということは、全く関係ないです、100パーセント。
 ③会社が伸びる、株価が上がる、ということのただ一つの理由は、その会社が社会において価値がある、ただそれだけであり、まじめだろうが、ふまじめだろうあが、頑張ろうが、頑張らないだろうが、ということは100パーセント関係ありません。
 
 三 まじめな会社、頑張ってる会社を応援するつもりで、株を買いましょう
 ここまで来ると、出来損ないの新興宗教としか思えませんな。
 私たちが株を買うのは、会社を応援するためでも、社会を良くするためでもありません。「お金を儲ける」ただこれだけであります。
 
 先ほどの一面ぶち抜き広告、くだらない能書きをとうとうと並べていますが、「数字」は一つも出てきません
 
                       何故ならば、
 
 このファンドの実績、日経平均株価の伸び率とほぼ同等なのです。
 つまり、高い手数料を顧客から、しかも10年・20年と分捕っていながら、実績は手数料が半分以下の日経平均インデックスファンドと同等 なのですよ。
 
 まとめ:ビジネスの世界は「結果」が全てであり、「結果」とは「数字」のみである。
 出来損ないの三流新興宗教のような妄言にダマされず、「数字」のみを信じましょう、数字はウソをつきませんから!