2021/9/7

日本、米国、シナ Ⅲ

 資産形成・資産運用にかかる日本、米国の現状について述べてきました。
 最後は隣国シナの現状と未来予想です。
 
 一 北京証券取引所ができる。
 中国共産党、すなわち共産主義を標榜する政党の独裁国家において、
 ①その真逆である資本主義経済システムが採用され、
 ②さらには、資本主義の象徴である株式会社(多くの投資家から資本を集め、そのお金で事業を起こし、事業で得たお金を投資家=資本家に分配する)が容認され、
 ③さらには、それらの株を多くの国民が売買できるシステムである株式市場が整備されているといううのは、まったくブラックジョークというほかございませんが、実は全然不思議ではないのです。
 何故ならば、中国共産党というのは、その名称や理念を利用し、私腹を肥やす人間の集まりであり、当然ながら私腹を肥やすための源泉である「カネ」を生み出す力は、資本主義経済こそが備えているからです。
 
 二 大企業への締め付けが強まる
 というわけで、シナがここ半世紀において行ってきた資本主義化はいままでのところ、大成功に終わってきました、が、ここにきてやや風向きが変わってきました。
 ①アリババに対する攻撃
  ア オーナーであるジャック・マー氏の引退
  中国資本主義最大の企業、すなわち成功の代表である氏が、55歳の若さで経営の第一線から引退しました。
  地位も名誉もお金も手に入れた結果、本人の自発的意思で引退するならば問題ありませんが、その真相は党・国家の上層部からの圧力により、無理やり引退させられた、というものらしいです。
  イ アント・フィナンシャルの上場延期
  マー氏の引退が自発的意思でない」最大の証拠は、アリババ子会社アント・フィナンシャルの株式上場延期であります。
 昨年11月、上海・香港に上場する予定が、わずか2日前に突然当局の命令で延期となりました。
 (繰り返しますが、共産主義を自称する国家において、①株式会社が存在し、②その株を売買できる市場があり、③その株を国民誰もが買える、すなわち全国民が資本家になる(笑)なんて、まあ、普通に考えたらありえないですよね)
 マー氏が、その前月に行われた講演において、シナの現状、すなわち自由や普遍的法制が無いことを痛烈に批判したことが、その真相であります。
 
 ②富裕層に対する攻撃
 さらには、最近シナ政府は、「共同富裕」という言葉を言い出しました。
 簡単にいうと、大企業やおお金持ちはそのお金を個人や慈善事業に寄付せよ、ということです。
 まあ、そのこと自体は決して悪いことではないですが、問題はそれが独裁政府・政党の命令一過で強制されるということであります。
 
三 そしてバブルは崩壊する
 ①自由や民主の無い国における資本主義経済というイビツな姿に加え、
 ②この間の経済成長が、圧倒的な借金によりもたら集団されたことは、最大の小売り会社である蘇寧集団や、最大の不動産会社である恒大集団の破綻により明らかであります。
 
 以上のことをふまえたシナの未来については、
 ①13億人という圧倒的な人的パワーはこれからも続くし、
 ②アリババやテンセントのような優良企業も生き残るであろうが、
 ③今まで再三述べてきた矛盾は、必ず露呈することにより、
 シナが世界を支配する、ということは決してないと考えています。
 
 このことをふまえた時に、これからの時代を生きる方々が考えることは、
 ア 世界で最も平和で、安全で、清潔な国日本をこれからも維持し、伸ばすために、その大黒柱である日本企業・日本株式市場に投資し、そのお金で今まで以上に世界進出することを促す。
 イ さまざまな欠点がありつつも、自由・民主・資本主義の大国である米国、その大黒柱である米国企業・米国株式市場に投資し、自由と民主こそが真の繁栄をもたらすことを、世界史の中で証明する。
 ウ いずれGDPで米国を抜くといわれるシナ、しかしながらその実態は借金まみれのバブル経済であり、遅くとも2025年までにはバブル崩壊するであろうシナ。
 とはいいつつも、アリババやテンセントをはじめとする企業のパワーは素直に評価すべきであり、であるとするならばそれらの会社の株を含めた世界株価指数に連動する、世界株インデックスファンドに投資する。
 
 皆様の成功をお祈りいたします。