2021/10/10

外貨保険✕、外貨預金△、外国株投信〇

 少子高齢化が進む日本、2050年には人口1億人を割ってしまうと推計されています。
 人口が減ることにより、経済は縮小し、特に若年世代が減ることにより、公的年金等の財源が不足することが予測されます。
 以上のことをふまえた時に、私たちが考えるべきことは以下の通りです。
 
 1 経済縮小により、経済成長も鈍化する。
 2 経済成長の鈍化により、物価・金利は上がらず、金利商品である預貯金によるパフォーマンスは著しく低くなる。
 3 若年世代の減少により、公的年金の収支は厳しくなる。
 4 公的年金だけでは、老後の生活をまかなうのは厳しくなる。
 5 足らざる分は、自己責任・自助努力で賄わざるを得なくなる。
 6 自力で賄うとしたら、パフォーマンスの低い預貯金(貯蓄)のみではなく、投資も考える必要がある。
 7 投資するならば、人口が減る国内のみへの投資ではなく、人口が増える国外(外国)への投資も考えるべきである。
 
 というわけで、外国・世界に投資することが求められるわけですが、そうはいっても単純に国外投資ならなんでもいい、というわけではありません。
 
 一 外貨建て保険 ✕
 この、地上最悪の金融商品については、再三ふれてきましたし、多くのトラブル及びそれを受けての報道等により、一定落ち着いているものと思いますが。
  ①そもそも生命保険、なかんづく終身保険という人の生命にかかる分野において、その資産を外貨で運用し、あたかも高利回りを得られるかのように宣伝すること自体、犯罪的である。
  ②さらには、信じがたいほどの各種手数料を顧客から取り、それを保険会社と販売会社(銀行)で山分けするとなると、二重に犯罪的である。
  ③さらには、それを高齢者、すなわちいつ死ぬかわからない顧客に売りつけ、その結果亡くなった時に円高が進んでいたとすると、保険金は大きく減額となるわけで、三重に犯罪的である。
 
 このような地上最悪の詐欺的金融商品は、一日も早く規制すべきである。
 
 二 外貨預金 △
 ほぼゼロ金利である我が国に対し、それ以外の約200の国は、ほぼ間違いなく高金利である。
 しかも、外貨保険のような保険商品ではないから、仮に円高で目減りした時に預金者が亡くなっても、そのこと自体は自己責任ですむ話である。
 問題は、明らかに当該国の国内金利が高いにもかかわらず、外貨預金として顧客に提示する金利の低さである。
 
               代表的な外貨預金の例(2021・10・1現在) 
 10年国債金利(%)外貨預金金利(%)差(%)
米国ドル預金
1.610.15▲1.46
豪州ドル預金1.630.2▲1.43
ニュージーランドドル預金2.120.1▲2.02
 
 10年国債というのは、全世界的に金利の指標とされるものであり、いいかえればどんな間抜けな金融機関でも、これに投資していればそれだけの利益を得られるということとなる(なお、日本は0.05%)。
 にもかかわらず、顧客に提供する金利は上記のようなふざけた数値であり、その結果右端の欄をみればわかるように、金融機関は膨大な利ザヤをボッタくりしている、ということとなるわけで、地上ワースト二位の金融商品である。
 しかし、ニュージーランドドル預金はひどいね、2パーセント以上で運用していながら、預金者にはその20分の1しか払わないっていんだから、ほとんど詐欺としか思えない。
 これが、日本第二位のメガバンクの子会社たる某信託銀行の実態ですよ!
 
 以上、国外投資ならなんでもいい、というわけではない、ということを具体的にご説明してまいりました。
 次回以降、その真逆である、世界投資の王道商品である世界株式投信についてご説明いたします。