2022/1/17

お笑いESG

 今、ESGとかSDGSとかいう用語がせっけんしています。その特徴は、
1 ESG(環境・社会貢献・企業統治)、SDGS(持続可能な開発目標)といったことを重視し、
2 それらを重視すると宣言する会社や、
3 そいういった会社に投資しようという世論や投資家が増えていることです。
 まあ、そんなことはどうでもいいのですが、問題はそういった理念と現実が真逆な会社が多いということです。
 例えばみずほ銀行。2000年の統合以降、システム障害を連発しており、今回2021年は3回目です。
 障害が起きた後、まず銀行の頭取が出てきて謝罪し、辞任の意向を示しました。
 世間的にいえば頭取といえば会社のトップだと思われるかもしれませんが、この会社は違うのです。
 持ち株会社取締役会議長、会長、社長と続き、頭取はナンバー4の単なる子会社社長にすぎないのです。
 この間大本の責任者である議長、会長は、何ら会見せず、謝罪もせず、辞任の意向も示さず、1年以上年間数千万円から数億円の報酬を受け取っていたのであります。
 
 そもそも、持ち株会社なるものは、事業会社を管理監督するべき立場であり、したがって役員も
社長だけいれば十分なのであり、3人も役員がいるなどというのは、「屋上、屋を架す」といって、ムダの代名詞なのです。
 まあ議長についていえば社外取締役、頭も実績も空っぽだが、世渡り上手で出世した人間を、世間の目を欺くためにまつり上げる、すなわち単なるお飾りだからどうでもいいのですが、問題は会長です。
 このジイサン、組織の事実上のトップであり、ということはこの間20年のシステム障害の最高責任者であり、すなわち最大の戦犯なのです。
 にもかかわらず、辞任するどころか3月末で「退任」、すなわち単なる任期切れで辞めるとうのですから、お笑いです。
 
 さらに笑わせるのは、今回辞める会長、社長、頭取の後任し、性懲りもなく会長、社長、頭取を選ぶというのすから、どんだけ屋根の補修工事が好きなんだ、いっそリフォーム会社に衣替えしろよ、てなもんであり、「企業統治」のかけらもないひどさです。
 
 というわけで、日本企業の「統治」なり、「持続可能」なりが、スーツの襟につけているSDGSバッチだけのことであり、およそ世界に通ずるものでないことは、火を見るよりも明らかであります。
 
 今、これから先資産形成を行おうという方々におかれましては、このような日本の個別クズ企業の株は絶対に買わず、日経平均といった集合株(クズ企業もあるが、ダイヤモンド企業もあり、トータルでいえばダイヤモンド企業のパフォーマンスが、全体を押し上げる)投資に専念するべきであります。
 と同時に米国、世界という、欠点や困難はあるが、長い目でみればそれらを修復する回復力があり、伸びてゆくであろう世界株に大きく投資すべきであります。