2022/9/4
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資産形成と社会貢献 |
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資産形成、資産運用を行う目的は?と聞かれたら、まあ10人中9人が、「お金を増やすため」と答えるであろう、まことにその通りで「お金(資産)を増やす」ことこそ唯一の目的であり、それ以外ありえないのだ。 1 資産形成のための手段 お金を増やすとなればまず基本的なことは預貯金である。ただ現在我が国においてはほぼゼロ金利の状態であり、預貯金 = 貯蓄のみで飛躍的にお金を増やすことは難しい。 第二に考えるべきは投資ということになる。 投資といっても色々あるが代表的なものに個別株投資があある。これはうまくゆけば大きな成果が期待できる、がその反対にうまくゆかなかった時のマイナスも小さくない、ハイリスクハイリターンと呼ばれる所以である。 個別株投資のリスクリターンを低くし、安定的な運用が期待できるのが集合株投資 = 株式投信である。 株式投信のなかでは、株式市場・株価指数そのものに投資するインデックスファンドがローリスクミドルリターンのものとして、現在主流になっている。 2 アクティブファンド 株式市場全体に投資するインデックスファンドではなく、市場の中から有望企業を探し出し組成するのがアクティブファンドであり、インデックスファンドよりコストが高い。 一 運用会社としては、高コストであることがバレては売れないのでさまざまな痛い文句で投資家を勧誘する。代表的なものが独立系の某運用会社で、その歌い文句が、「自分が応援したい会社を、長期で保有しよう」というものである。 一見すると、そそられそうな文言だが、そもそも応援する会社の株が上がるなどという根拠は全くないわけで、無責任きわまる歌い文句だ。 二 運用会社は商売だから、まああの手この手をくりだして勧誘するのはある意味しかたがないが、某雑誌を見ていたら投資家の側から似たような発言が出たので驚いた。 いわく、 ・ 投資とは資産づくりと、よりよい世の中づくり(笑)の両方を目指すものである。 ・ 投資を通じて資本配分(笑)をしていくことが、本来あるべき姿である。 ・ アクティブファンドの高いコストなど無視していい。自分の価値観に合ったアクティブファンドを見つけ学ぶことにより、豊かな人生(大爆笑)というリターンが期待できる。 ちなみに、この筆者は精神異常者ではない(たぶん)。会社を経営し、それなりの社会的地位もあると思われる方の「困ったチャン」発言だ(としか言いようがない)。 3 資産形成と社会貢献 今全世界でESG投信なるものが売れている。社会貢献なるものを全面に出し、頭の悪い投資家をダマし、高いコストをむさぼる極悪アクティブファンドの代表だ。 考えてもみてほしい。資産形成という、100パーセントエゴイズムの行為と、社会貢献なる100パーセント奉仕の世界が共存できるかと。 アクセルとブレーキを同時に踏む、あるいは酒を飲みながら禁酒運動のスピーチをする、あるいは、カルガモの子供のお散歩の姿をスマホで見て感動しながら、蕎麦屋で鴨南蛮を食べる、っていうくらい矛盾したありえない行為なのだ。 ローコストミドルリターンのインデックスファンドでしっかり資産を増やし、その中から自分の信ずる社会貢献運動(ファンドに非ず)に無償の寄付をする、このことこそ21世紀におけるホモサピエンスたる人間の為すべきことである。 |
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