2022/9/26

アベノミクス・クロダノミクス以降に向けて

 2022年7月、安倍元総理が逝去されました。2023年3月には黒田日銀総裁が退任することとなり、アベノミクス・クロダノミクスは名実共に終了します。
 問題はその後継者たる総理・総裁がその意志を忠実に引き継ぐかどうか、にかかっています。
 
1 岸田総理
 就任早々、金融所得課税強化だの、自社株買い規制だの株式市場、株価、ひいては日本経済にマイナスでしかな寝ぼけ事を連発した。この先どうなるかと思いきや、
 一 5月、ロンドンにおける講演で突然「資産所得倍増計画」をぶち上げた。
 二 9月、今度はニューヨークにおいて、NISAの恒久化を宣言した。
 どちらも歓迎すべきことだが、しかし残念ながら株式市場の反応はなく、というかここにきて日経平均は2万6千円台まで下落した。
 アベノミクス・クロダノミクスによって、底値の3倍まで上昇し、菅総理によって3万円まで回復したというのに、まことに情けない次第である。
 今後の奮闘を期待したい。
 
2 日銀新総裁
 今、後継候補と言われているのは前&現副総裁、共に日銀プロパーである。
 失われた20年において、一貫して日銀プロパーが総裁を務め、この間金融政策は失われたどころか瀕死の状態であった。そんな日本経済を異次元の金融緩和で蘇らせたのが黒田氏であり、その功績は安倍氏共々我が国の歴史に燦然と輝く素晴らしいものである。
 ここにきて再び日銀プロパーが総裁になるということは、再びあの暗黒の時代に逆戻りしかねない、極めて不安である。
 
3 結論
 総理が誰であれ、総裁が誰であれ、私たち日本国民は生きて、そのためには働き、そして将来のために資産を創ってゆかねえばならない。
 しかし、これまで述べたようにアベノミクス・クロダノミクスという、ある意味奇跡のコンビがこれからも生まれることは期待薄であり、だとするならば日本経済、日本株式の上昇は期待薄となる。 
 しかし、失われた20年と、決定的に違う点が二つある。
 一 iDeCo&(つみたて)NISAという、国が国民の資産形成をサポートしてくれる、素晴らしい制度があることであり、この二つともアベノミクス・クロダノミクスの「黄金の10年」に生まれたものである。
 二 ①投資信託という金融商品が整備され、②インデックスファンドという素晴らしい商品が普及し、③世界の株式が簡単に買える時代になった、ということである。
 
 過去(アベノミクス・クロダノミクス)や、他人(新総理・新総裁)を嘆いたところで、未来が拓けるわけではない。
 安倍氏、黒田氏に感謝し、彼らが作り上げた投資環境を十分に活かし、大きな成果を出すことこそが、現在(いま)の私たちがなすべきことである。