2023/1/8

資産形成入門 1

 以下、10項目にわたり、資産形成の基本について述べます。
 
1 日本の、過去と現在
 資産形成の具体的な話の前に、大前提として私たちが暮らすこの国(経済)の歴史について述べたい。歴史(過去)に学ばないものに、良き未来は訪れないからだ。
 
 一 20世紀の日本
  ①1945年、第二次世界大戦&太平洋戦争がおわり、世界は一時平和な時代が訪れた。
 我が国においては、戦争による死者が減り、人口が増え、非武装化により軍事支出が減り、その結果1970年代から高度経済成長が始まった。
 景気が良くなり賃金が上がり、金利が上がり預貯金の利息収入が増えた。1980年代、銀行の預金金利は約8パーセントであり、郵便局の定額貯金に10年預けていれば2倍になった、まさに夢のような時代であった。
   ②高度経済成長の頂点がバブル景気だ。ところで当たり前だが頂点というものは、希少価値なものであり、狭く短いものなのである。わずか5年弱でバブルは弾け、その後は下り坂を駆け落ちるがごとく景気・経済は失速した。「失われた20年」である。
 物価は上らず、賃金もあがらない、地獄のデフレの時代が続いたのだ。
 
  ③このような地獄の時に現れたのが、安倍晋三総理大臣である。就任後すぐ日銀総裁に黒田東彦氏をすえ経済再生を図った。「アベノミクス・クロダノミクス」である。
 2013年~2022年の10年間で、過度な円高は収まり、株価は上がり、雇用は増えた。21世紀日本の奇跡と呼ぶにふさわしい快挙である。
  ④しかし、夢のような時代は終わった。2022年安倍元総理はテロに倒れ、2023年黒田総裁は任期満了で退陣する。これから先誰が総理になり、総裁になるかわからないが、ほぼ確実に言えることは、「アベノミクス・クロダノミクス」を超えることは不可能であろうということである。
 
 ⑤まとめ
  Ⅰ 20世紀の日本は、給料が上がり、上がった給料で貯金をすれば10年で2倍になった夢の時代であった。
  Ⅱ21世紀の日本は、給料はさほど上がらず、貯金してもほとんど利息が付かない時代である。
  Ⅲしかし、悲観することはない。私たち国民が一生懸命働けばそれなりの収入は得られる。
 例えば副業をして収入をふやす。女性も働き収入を増やす。さらにはその働き方も短時間のパートタイムではなく週30時間以上に増やし、さらに収入を増やす等々、である。
 そして、その収入の中から1~2割を投資に回せばそれなりの果実を得ることができる。
 さらには、投資も日本国内だけではなく、広く世界に投資するならば、さらに大きな果実を得ることができる。
 
                                                   (つづく)