2023/2/9

資産形成入門5-2

                     <毎月分配型投信>
 
 失われた20年の最中、つまり貯蓄はゼロ金利&日経平均も1万円割れという時代に、某運用会社が作った商品。 
 
 一 海外債券投信
  海外の国債を中心とした債券に投資する。他国においてはそれなりの金利が付く状況であったので、そのお金を再投資せず配当するというわけだ。
 
 二 毎月、利息等を分配
 年金受給者は偶数月しか収入がない。それを見透かし、「毎月、お小遣いが入りますよ」なんてうたい文句で高齢者を引きつけたわけだ。
 
 三 資産残高は急膨張
  というわけで、資産は見る見るうちに増え、お化けファンドに成長した。
 
 四 トータルではプラス
  この間、毎月分配されたわけであり、トータルではプラス収支となっている。
 
 五 今では、タコ足配当で元本割れ
  しかし、今では分配原資が不足し、元本を削って配当する、いわゆるタコ足配当の状況である。
 
 結論
  ①年金受給高齢者向けに考え出した商品戦略は見事だ。
  ②しかし、配当を毎月分配していたら当然のことながら複利効果はゼロなわけであり、
  ③長期投資をすべき若者には、100パーセント不要なゴミ商品である。
 
                     <デリバティブ投信>
 
 一 通貨選択型、二階建て・三階建て投信
 などと呼ばれ、投資信託に加え、外貨預金的なものを付け加えたものだ。
 
 二 中味はデリバティブ
 詳しく説明すれば長くなるがその必要は100パーセント無い。何故ならば、その本質は訳の分からないオプションを足して顧客を困惑させ、売り付けて高い手数料を得るだけが目的であり、その商品の中味など全く意味をなさないからだ。
 
 三 会社100パーセント儲かる&客で儲かる人10パーセント
 つまり、この商品を売ることにより運用会社&販売会社は手数料収入でがっぽり儲かる。
 一方顧客は、パフォーマンスの低いゴミ商品を買わされ膨大な手数料を払わされたあげく、儲かる人はせいぜい10パーセントくらいのものだ。
 
 結論
 あまりに程度の低い商品だったので、普及することなく消えた。
 しかし、悪徳金融業界がそんなことでめげるわけなく、手を変え品を変え作り出したのが、次回で述べる仕組債だ。
 
                                                 (つづく)