2023/9/1

スポーツとカネ

 昨年秋以降スポーツの世界大会が次々と開かれた。
 
1 サッカー男子ワールドカップ、野球WBC、サッカー女子ワールドカップ
 サッカー男子はベスト16,野球は優勝、サッカー女子はベスト8という素晴らしい成績だった。
 そういった光の面に対し、残念ながら影の面もあった、放映権料の高騰である。
 
 一 男子サッカー
 FIFA(国際サッカー連盟)が日本に対し要求してきたのが300億円。そんな大金とてもじゃないが払えないということで、最悪国内で観られないという可能性もあった。
 最終的にABEMATVが200億円で全試合、NHK・テレ朝・フジテレビが80億円で日本戦を放映することで契約が成立した。
 ABEMAは全試合を無料放送という大英断であり、敬意を表したい。
 
 二 WBC
 こちらは、テレ朝とTBSが日本戦を放送した。金額は公表されていないが、相当な額(おそらく1試合5億円以上)であり、両社とも赤字であったらしい。これは長嶋一茂が言ってるからほぼ間違いない。
 
 三 女子サッカー
 男子以上にもめた。なにしろFIFAが提示してきたのが100億円!民放は早々と逃げ出し最終的にNHKが単独放映することとなった。これまた金額は公表されていないがおそらくWBC並みだとされている。
 NHKの大英断に敬意を表したい。
 
2 放映権料高騰の原因
 
 一 発端はオリンピックである。米国のテレビ局は法外な金額を提示し、ゼニゲバIOCがそれにひれ伏した。
 今オリンピックは7・8月の真夏にしか開催されない。1964年の東京オリンピックは10月、シドニーオリンピックは9月だった。それぞれの開催国が、適切な時期に開催していたからだ。
 ところが、金主である米国テレビ局(NBC)が米国におけるスポーツ閑散期である真夏にやれと要求し、あろうことかIOCがそれにひれ伏し、開催時期を真夏に固定してしまったのだ。
 
 二 スポーツは金になる、オリンピックの放映権料を知ったFIFAがこれをサル真似したのが、前述の事態だ。
 ちなみに、今回の女子サッカーにおいてもめたのは欧州と日本だけである。米国は2026年の男子北米大会と合わせて多額の契約を既に結んでいる。
 またサッカー後進国に対しては、FIFAが始めからたくさんの金をひっぱれないと踏んでいて、スズメの涙ほどの金額でさっさと契約したらしい。
 結局損したのは、真面目でお人よしの日本だったというわけである。
 
3 何故、米国はそんなにお金を払えるのか?
 一 テレビ局が何千億円という膨大な放映権料を払えるのは、それに見合うだけのCM収入があるからであり、
 二 スポンサーがそんな膨大な額CM代金を払えるのは、その10倍以上の事業売り上げが見込まれるからである。
 
 言い換えれば米国の企業は、過去も現在もそして未来も膨大な富を生みだしてきた(ゆく)ということなのだ。
 
 ここまできたらもう結論は言うまでもない。米国経済、米国企業こそ地上最強であり、当然ながら米国株式市場もまた同様である。
 
 米国をはじめとした世界(日本も含む)の株式市場に投資する = 株価指数に投資するインデックスファンドを買うことこそが、人類と世界の繁栄と共に歩む、ということなのである。
 皆様の成功をお祈りいたします。