2023/11/24

太平洋サッカー連盟を創ろう!

  以下の文章は、日経新聞私見卓見欄に投稿したものです。ほぼ間違いなくボツになると思うので、当欄において記載しておきます。
 
                    「太平洋サッカー連盟を創ろう」
 
 サッカー男子ワールドカップアジア二次予選のシリア対日本戦は、日本国内においてテレビ中継されなかった。シリア協会・代理店側の法外な放映権料提示に対し日本協会・テレビ局が毅然として「ノー」を示した結果だ。
 ところでこのことはこれからも起きうる、シリアはAFC(アジアサッカー連盟)の真似しただけだからだ。AFCは2021年末AFC主催の日本代表試合(二次予選は除く)等の放映権について、8年2500億円で、しかも中国企業に権利を与えたのだ。
 1年当たり300億円超、野球のWBCが7試合で30億円、それでも赤字という時代においてだ。
 
 ビジネスの世界における「適正相場」や、自国代表の試合を自国メディアが放送するという当たり前の常識さえわきまえない、最低で強欲な契約だ。
 このようなことが続くならば、日本国民は日本代表の試合を、下手すれば日本国内ですら視聴できないこことなる。今こそAFCに対し「ノー」(脱退)というべきだ。
 
 もう一つ脱退を勧める理由がある、「移動時間と時差」の問題だ。
 今回のワールドカップ予選でいえば、欧州リーグ所属の選手は10時間以上のフライトで日本に帰国し、国内試合が終わると再び飛行機に乗り6時間の時差がある海外でアウェー試合、おそらく世界の代表のなかで最も過酷なスケジュールだ。
 サッカーに限らず代表選手は国の宝であり誇りである。彼ら彼女らが疲弊しパフォーマンスを落とすならばそれは日本全体にとって大きな損失である。
 
 サッカー関係者、サッカーファン、そして全ての国民に提言したい。AFCを脱退し、太平洋サッカー連盟(PFC)を創設すべしと。
 地球儀を見れば判るが日本や東南アジアは、オセアニア諸国と同じ太平洋国家なのであり、実際ラグビー日本代表の半数は太平洋諸国出身である。
 PFCの創設により、日本主導で適正な放映権相場をつくる。さらに時差の(ほぼ)ない地域での試合により選手の心身のストレスを軽減する。
 
 戦争や紛争が続く現在において、スポーツは人々の心を癒す大きな力だ。全世界の人々が自宅で自国代表の試合を観ることができ、画面上の選手たちが一日でも長くパフォーマンスを発揮できるということは、暗い社会における希望の光となる。
 サッカーのみならず全てのスポーツ関係者、そしてスポーツを愛する全ての国民に考えていただきたいと思う。