2023/12/16

大谷契約と米国経済

 大谷翔平選手がロサンゼルス・ドジャースと契約を結んだ。
 
1 10年1000億円!
 その額たるや、10年総額1000億円という破格な金額だ(以下、円建て&概数で記す)
 
2 手取り3億、残りは年金
 今回の契約においては金額もさつことながら、重大なポイントがある。
 大谷選手の手取りは年3億 × 10年 = 30億であり、残りの970憶は10年かけて年金というかたちで支払われるのだ。
 
3 ぜいたく税の対象額
 一 なぜこのような契約形態となったかというと、MLB(メジャーリーグベースボール)における、いわゆるぜいたく税の問題がある。
 各チームの年俸総額にしばりをかけ、それを超えた分について一定額の課徴金を科すというものだ。
 金持ち球団が金にあかせて有力選手を囲い込み、結果毎年同じチームが上位を占めることを防ぐためのものだ。これにより戦力は均等化され、シーズン最後まで優勝争いが続き、入場者・視聴者を離さないためだ。
 
 二 それでは、ドジャースのぜいたく税対象額はいくらだろう?
  ①手取り年俸3億
  ②総額を10年で割った100億
 正解はそのどちらでもなく、年金額からインフレによる目減り分(30パーセント)を差し引いた700億(FPの世界では正味現在価値と呼ぶ)を、10年で割った70億なのだ。
 ちなみに、このディスカウント換算の理由をインフレ目減り換算であると報じたのは、東スポだけ(私の知る限り)であり、他のメディアは正味現在価値の意味すら分からないのだろう。
 日本を代表するクオリティペーパー東京スポーツの面目躍如といってもいい。
 
4 米国経済は、永遠に成長する
 ここからが、資産形成・資産運用の本論となる。
 一 インフレによる目減り分を差し引いた現在価値額にする。
 二 30パーセント目減りするということは、言い換えれば10年で30パーセント経済価値が上昇する(だろう)という見通しであり、年3パーセント経済が成長するという見通しなのだ。
 三 そしてこの数字は決して奇想天外なものではない。
 34年前、米国ニューヨークダウ株価指数は2700だったが、今は37000、実に13倍に増えているのだ。13倍、すなわち1200パーセントの増加であり、年平均では35パーセント(3パーセントじゃないよ)の増加となる。
 年3パーセントの経済成長など、米国においては朝飯前であることがお判りになると思う。
 
5 日本、米国、世界に投資しよう!
 ここまで書いたら賢明なる読者はお判りだろう。
 世界最高の経済大国米国、その同盟国たる日本、そして米国を中心とした世界経済、これらの国の株式市場、株価指数に投資すればいいのだ。
 間違っても、中国やBRICS、新興国に投資してはならない。
 
 日本、米国、世界のインデックスファンドに投資する、このことこそが貴方の人生において、貴方なりのメジャーリーガーになる唯一の道なのであります。