2024/1/8

追悼 山崎元さん

 経済評論家で、楽天証券経済研究所研究員の山崎元氏が亡くなった。心からご冥福をお祈り癒します。
 山崎氏とは同世代だが、それ以上に親近感を感じたのは投資に対する考え方がほぼ一致したからだ。以下、具体的に紹介し私の考えも述べてゆくこととする。
 
1 金融機関を信じるな
 金融機関の代表である銀行にとって収益源は二つだ。
 一 預金を集め、そのお金を貸し、利ザヤを稼ぐ。この場合、預金者&銀行の双方が儲かるウイン・ウインの関係であり、双方ハッピーとなる。
 二 一方、投資信託等の金融商品販売については、そのお金はあくまで投資家のものであり勝手に運用することはできない。
 銀行の収益は、①売買手数料と、②保有手数料の2種類であり、資産価格が上がればもうかるが、下がったところで損するわけではない。
 要するに、高い手数料率の商品を売れば、銀行儲かる&投資家損する、ということとなり、これを利益相反関係と呼ぶ。 
 
 一般論でいえば、商品を売る人はその商品についてのプロである、例えば魚に関しては魚屋のオッサンが一番詳しい。
 しかし、唯一その法則が通用しないのが、投資商品の販売購入だ。何故なら金融機関の社員は「(顧客の資産を増やす)金融のプロ」ではなく、「金融商品を売って高い手数料を稼ぎ、キャバクラやホストクラブに行くための自分の資産を増やすプロ」だからだ。
 こんな当たり前のことを、当たり前のように言った人間は、私の知る限り山崎氏以外にはいない。
 
2 インデックスファンドに投資しよう
 山崎氏と水瀬ケンイチ氏の共著「ほったらかし投資術」は、我が国におけるインデックスファンド投資指南の本としては最高のものである、未読の方はぜひお読みいただきたい。
 理論面から山崎氏が、実践面から水瀬氏が述べており、これ1冊でインデックスファンド投資のみならず、投資全体について理解できる。
 この本を読んだら、アクティブファンドだの、ラップ口座などが、いかにくだらない最低最悪のものであるか理解できるだろう。
 
3 世界に投資しよう
 昨秋、東洋経済オンラインで山崎氏が「NISAに投資するならこれ1本」という文章を書いている、おそらく絶筆となったのではないだろうか?
 この1本とは、「全世界株式インデックスファンド」のことである。全く同感である。
 なにしろ、人口が増え、伸び行く資本主義の中で、世界のトップ企業の株をまとめて買うのだから、これで損しろというのが至難の業というくらい安全・安心なファンドだ。
 
 私自身はそれに加えて日経225及びSP500インデックスファンドも保有しているが、いずれにしても日本も含めた全世界の資本主義を買う、資産形成に関してはこのことに尽きるといっても過言ではない。