2024/5/4

株高、NISA、敗者

  5月1日日経新聞記事を基に、現在及び未来の投資の世界について記す。
 
1 証券5社、利益2倍
 一 証券大手5社(野村、大和、三菱、三井住友、みずほ)の2024年3月期の決算はおおむね利益2倍の水準となった。個人営業がその業績向上をけん引した。むろん、その最大の原因が34年ぶりの日経平均高値更新であることは、いうまでもない。
 二 バブル期ほどではない
 ところで、利益が増えたと言ってもバブル期ほどではなく、当時の半分程度の金額だ。その原因は株式売買手数料の低下だ。これは半分どころか、八分の一程度の水準だ。
 三 安値競争はこれからも続く
 売買手数料低下の最大の原因がSBI証券(及びこれに続いた楽天証券)が、ゼロ円、つまりただにしたことだ。当然ながら、このことは証券会社の利益が減り、投資家のコストが減るということであり、まことに喜ばしい限りだ。
 これから先は、この安値競争に勝てるだけの体力がある会社が残り、そうでない会社は淘汰されることとなる。 
 
2 NISA、賢者は進む
 新型NISAがスタートして順調に推移している。日経アンケートによると、
 一 定期収入(可処分所得)の何割を投資にまわしているかというと、 ①10パーセント以上が50パーセント、②20パーセント以上が26パーセントだった。
 二 投資方針については、①長期保有が64パーセントであり、②短期保有の11パーセンを大きく引き離している。
 三 投資先については、①日本株式が54パーセント、②米国株投信が33パーセントだった。
 
 以上整理すると、可処分所得の1割以上の額を、②長期保有目的で、③日本&世界に分散投資しているという、きわめて賢明な日本人個人投資家の姿が見える。
 
3 愚人の下で、会社は滅ぶ
 そのような順調な日本株式市場のなかで、唯一ダメな上場企業がある、住友化学だ。
 2024年3月期決算において、3000億円という会社始まって以来の赤字を計上する見通しだ、
 一 2013年、安倍晋三総理が黒田東彦氏を日銀総裁にすえ、大規模な金勇緩和政策を始めた。この時、経団連会長だった米倉某が、「無茶なことだ」と、真向から批判した、住友化学会長も兼務していたボケジジイ米倉某である。
 二 それから10年!アベノミクス・クロダノミクスは大成功し、平均株価は8000円から40000円、5倍になった、400パーセント増えたことになる。
 一方、ボケジジイの住友化学の株は10年で1円も上がっていない。多くの社員を雇い、多くの投資家からお金を集めながら、10年間居眠りしていたようなものだ。
 三 賢人(安倍・黒田)の下で国家は栄え、愚人の下で会社は滅ぶ、ということだ。  
 
4 結論
 一 住友化学に代表されるように、個別株投資は危ない。少なくとも初心者・低所得者は絶体にやってはならない。
 二 iDeCoやNISAといった、国の創った素晴らしい制度をつかい、
 三 国内・国外に投資するインデックスファンドを、手数料の安いネット証券で買う、このことに尽きます。